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2007年09月 アーカイブ

2007年09月14日

カスタムメイド人工骨の臨床研究順調に経過


  東京大学医学部付属病院ティッシュ・エンジニアリング部(高戸毅・部長)と(株)ネクスト21(東京都文京区本郷、鈴木茂樹・社長)は、事前にカスタムメイド形状の人工骨をつくり、顔の顎部分の形成のため実際の患者に移植する臨床研究に成功した。これは、基本的に固定せずに手術中には目的部位の骨膜下へ挿入するだけで、 従来の人工骨移植手術に比べ非常に短時間で移植手術でき、患者への負担を小さくできる。また移植後に自分の骨にほとんど置換できない従来の人工骨とは違い、吸収性がよく早期置換ができる。今後は治験を秋から開始する予定で、2010年の実用を目指す。

  両者が開発したカスタムメイド人工骨は、患者の顔面部分のX線CT画像を基に、変形した顎などに補填したい移植骨の形状を3次元データとして作成し、インクジェットプリンターを用いた3次元積層造形法でつくるものである。

  これは、既存の人工骨として多用されている「アパセラム人工骨」などとは、成形方法が大きく異なる人工骨である。「アパセラム人工骨」は、焼結したハイドロキシアパタイト材料であり、生体内での吸収速度は非常に遅く、ほぼ非吸収性である。これに比べて今回の「カスタムメイド人工骨」は、非焼結のリン酸カルシウム硬化体材料であり、焼結アパタイトより生体活性が高く、移植後は徐々に体内へ吸収され、再生される自分の骨と置き換わるのが早いのが特徴だ。

  焼かないので柔らかいが、ある程度の固さがあって支持力はある。荷重部位の骨としては移植できないが、顔面部分などに活用できる。移植してぴったり固着させるには、1ピースでなく2、3ピースのカスタムメイド人工骨にするのがベストだという。

  これまでに、動物への移植試験でその有効性を確認し、昨年6月から今年7月までに10名(女性9名、男性1名)の顎部分の骨欠損や骨変形患者に対して移植する臨床研究を、同病院顎口腔外科・歯科矯正歯科で医師主導により実施した。その結果は、各患者疾患部形状は改善され、副作用などの安全性に大きな問題もなく経過してきた。

  そのため、今後の治験へ向けて厚生労働省に治験計画届の提出をすでに済ませた。年内にはこのカスタムメイド人工骨の有効性と安全性を評価するための治験が開始できる見通しだとしている。治験は「非荷重部位骨のうち頭蓋骨、顎顔面骨、または自家骨移植後の腸骨等の欠損または変形」を対象疾患として、70名を予定。

  治験実施の候補としては、高度医療技術をもった東大医学部付属病院顎口腔外科・歯科矯正歯科、東京歯科大市川総合病院歯科・口腔外科、鶴見大歯学部付属病院口腔外科、獨協医科大病院口腔外科・形成外科、神戸大医学部付属病院歯科口腔外科、順天堂大医学部付属順天堂医院形成外科、埼玉医科大病院形成外科・美容外科、京大医学部付属病院形成外科、大阪医科大付属病院形成外科、大阪市立総合医療センター形成外科の10施設を予定している。

2007年09月18日

大事な歯のかみ合わせ


2007年9月18日

 二日に行われた世界陸上の女子マラソンで土佐礼子選手が銅メダルを獲得した。粘りの走りとともに、歯列矯正のワイヤが目についた人もいたはず。北京五輪切符をつかんだ快走の陰に、歯のかみ合わせ改善があったのか-。 (服部利崇)

 「本人の努力はもちろんですが、矯正は大きく関係していると思う」。同レース最終盤での「絶叫」伴走が記憶に残る、土佐選手の夫で松山大職員の村井啓一さん(33)はこう振り返る。

 実業団で活躍し、今は同大陸上部女子長距離ブロックのコーチを務める村井さんには、激しい練習を積んでいるとはいえ、土佐選手の故障の多さが気にかかっていた。「歯のかみ合わせが悪いため、バランスを崩したのが原因では」と考えた村井さんが矯正を勧めると土佐選手も承諾。北京五輪に間に合わせるため、二〇〇五年五月から治療を始めた。

 矯正を始めると、一方の肩が極端に下がるフォームも改善した。猛練習やマラソン後にひざ痛になることはあっても、「矯正前に少なくとも五回はしていた」(村井さん)疲労骨折を一度もせず、練習を積むことができた。年内にワイヤは外れる予定で、北京五輪イヤーは、“ニュー礼子”で臨む。

 体のバランスと歯のかみ合わせについて、日本オリンピック委員会(JOC)の強化スタッフで東京歯科大の石上恵一教授(スポーツ歯学)は「関係がある」と断言する。

 石上教授によると、かみ合わせが悪くて歯同士の接触面積が少ないと、あごの位置が不安定になり、平衡感覚をつかさどる内耳に悪影響を及ぼし、体全体のバランスを崩すという。「どんなスポーツでも基本姿勢は大事。米国だとバランスの悪い選手は、どんなにいい指導をしてもトップアスリートになれないといわれる」(石上教授)

 かみ合わせが悪いことによる悪影響は、日常生活にも出る。不安定なあごを安定させるため、首や肩に過度の負荷がかかり、肩こりや頭痛を誘発。さらに「体のほかの部位にも波及する可能性もある」という。

 かみ合わせの矯正は高齢者の転倒防止にも役立つ。高齢者が義歯を外すと装着時より歩幅が狭くなるという。石上教授は「崩れたバランスを取り戻そうと、狭くなったのだと考えられる。転ばぬ先のつえとして、お年寄りも口腔(こうくう)管理を考えるべきだ」と言う。

 では、かみ合わせを矯正すると、運動能力全般が向上するのか。東京医科歯科大の上野俊明准教授(スポーツ医歯学)は「運動能力を支えている肉体的な部分を、向上させることが期待できるとまでしか言えない」と語り、トップアスリートにそのまま当てはめることには慎重だ。

 ただ、よくかめる子とそうでない子とで体力テストをすると、総じてよくかめる子の方が数値が良かったり、高齢者の日常起居動作でも義歯を入れてきちんとかめる方が数値が良かったりするという実験データもあるという。一般レベルでは、かみ合わせの改善で運動能力の向上に一定の効果を見込めそうだ。

2007年09月22日

厚労省、診療科名の規制大幅緩和

厚生労働省は21日、医療機関が看板などに掲げる診療科名を38に限定している規制を大幅に緩和し、「内科」や「外科」「歯科」については臓器や症状などの名称を自由に組み合わせた科名を認める案を医道審議会に提案、了承を得た。当初は科の数を削減する方針だったが、学会などの反発を受け方針を転換した。

 同省は年内に政省令を改正。来年度には「乳腺外科」「糖尿病・代謝内科」など様々な科名が登場することになる。

 新たな方針では、内科など3科と(1)臓器や体の部位(2)症状、疾患(3)患者の特性(4)診療方法――を組み合わせた診療科名を自由化する。現在は認められていない腫瘍(しゅよう)内科や感染症内科、気管食道外科なども可能になる。そのほかの小児科、精神科、アレルギー科などは省令で個別に列記する

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