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2007年11月 アーカイブ

2007年11月07日

口内環境から全身の健康を考えたオーラルケア素材を発見

口内環境から全身の健康を考えたオーラルケア素材を発見
特定の糖アルコールが、カンジダバイオフィルムに対し殺菌剤を浸透しやすくする


 花王株式会社(社長・尾崎元規)パーソナルヘルスケア研究所は、徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部口腔顎顔面補綴(ほてつ)学分野・市川哲雄教授と共同で、オーラルケア素材の1つとしてエリスリトールについて研究を進めています。
 このたび、エリスリトールが、カンジダ菌が作るバイオフィルム*に対して、殺菌剤を浸透しやすくする作用をもつことを見出しました。
 この作用は、同じ糖アルコールのキシリトールやソルビトールと比べて、高いことが分かりました。また作用機構は、エリスリトールがバイオフィルムの構造強度に何らかの変化を与えたためと考えられます

カンジダ菌は口の中にも存在する日和見感染菌(普通は病原性を示さないが、人の抵抗力が弱ると感染する菌)ですが、義歯(入れ歯)の表面でバイオフィルム(カンジダバイオフィルム)を作ると、義歯洗浄剤等に含まれる殺菌成分などの薬剤がバイオフィルム内部まで浸透しにくいため、十分な効果が得られにくいことが指摘されています。
 エリスリトールは、虫歯になりにくい(非う蝕性)糖アルコールであり、口内環境から全身の健康を考えたオーラルケア素材として応用が期待されます。
 本研究成果は、第127回歯科保存学会(11月8~9日、岡山)にて発表いたします。


*バイオフィルム:細菌により作られる集合体で、様々な表面に付着します。義歯の表面に付着するバイオフィルムは、歯に付着する歯垢などの細菌の集合体と同じ構造で、細菌が産生した不溶性グルカン等の菌体外多糖からなる強固な付着物として存在しています。

■研究背景
 高齢化社会の到来と共に、義歯(入れ歯)の使用者は年々増加すると考えられます。特に、65歳以上の高齢者では60%以上の方が義歯を使用しています(平成17年歯科疾患実態調査報告 厚生労働省医政局歯科保健課編より)。
 義歯には、歯に付着する歯垢と似た細菌の集合体(バイオフィルム)が付着します。義歯装着時には義歯と口腔粘膜との間に唾液の浄化作用が及びにくいため、バイオフィルムが形成されやすく、口内環境が悪化する要因となります。
 口腔内に存在する細菌は、約600種類以上が存在するといわれていますが、そのなかにはカンジダ菌などの日和見感染症を引き起こす細菌も含まれています。カンジダ菌は人の口腔や消化管、膣、皮膚などに存在する常在菌ですが、義歯性口内炎や誤って気管の中に入ってしまうと肺炎(誤嚥性肺炎)を起すことや、腸管膜障害から細菌の転移をきたし重症感染症を引き起こすことが知られています。市川哲雄教授の調べでは、老人病院入院患者の約半数以上の口腔内から、カンジダ菌などの日和見感染菌を検出しています。
 義歯に形成されたバイオフィルムを除去するには、ブラッシング等による物理的除去や義歯洗浄剤等による化学的除去があります。しかしながら、カンジダ菌のバイオフィルムは、義歯素材の1つであるレジン表面に付着し、菌体外多糖によって覆われています。そのため義歯洗浄剤等に含まれる殺菌成分などの薬剤は、バイオフィルム内部まで浸透しにくく、十分な効果が得られにくいことが指摘されています。
 以上より、高齢化社会を背景とした口腔衛生対策の1つとして、全身の健康にも影響を与えるカンジダ菌のバイオフィルムに着目しました。

2007年11月15日

科研製薬、来年初から歯周組織再生剤P3開始

科研製薬は、bFGF塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)を使用した歯周組織再生治療剤「KCB-1D」について、今後の開発計画を明らかにした。フェーズ3は08年1月から09年10月に実施する予定。同剤の中でもっとも強い歯槽骨の再生作用を示す「KCB-1D0・3」製剤群をプラセボ群と比較。患者数は、プラセボ40例対同剤120例の計160例。10年3月の承認申請を目指す。

2007年11月23日

口臭「舌苔」恐るべし “毒ガス”で不眠やがんの原因にも

 舌の表面に見られる白い汚れ「舌苔(ぜったい)」。細菌の繁殖で発生する“毒ガス”は、口臭だけでなく不眠症やがんなどの原因にもなるという発表が、江崎グリコがこのほど開いたマスコミ向けセミナーであった。日本歯科大学の八重垣健主任教授らが日々の舌の清掃や分解酵素の服用、定期的な歯科検診などの口腔ケアが有効だと呼びかけた。

 舌苔は細菌や口の中からはがれ落ちた粘膜細胞、タンパク質を含む食べ物のかすなどが主な成分。歯磨き不足や歯周病などにより汚れや細菌がたまると硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどが発生し、口臭となる揮発性硫黄化合物(VSC)を生成する。

 八重垣主任教授によると、VSCに含まれる硫化水素は高濃度の場合、死に至ることも知られるほどの“猛毒”。一般的に0.3ppm~で吐き気、不眠等、~0.3ppmで吐き気等が現れることがあり、多くの口臭患者はこの前後の濃度を有しているという。さらに硫化水素はDNAを損傷させ、細胞の悪性化を招きガンの原因にもなるうえ、粘膜を覆う基底膜を破壊し、血管を通してガン細胞を運び、ガン細胞を増殖、転移させるという。また、新潟大学大学院の宮崎秀夫教授によると、舌苔に付着した病原菌が気管を通して肺に入ると誤嚥性(ごえんせい)肺炎を引き起こすこともあるという。

 口臭の主生産場となる舌苔を抑制するには、ブラシなどによる舌の清掃やプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)を利用するのも一つ。宮崎教授の実験ではプロテアーゼを配合したタブレットを1錠使用するだけでも舌苔量は約30%減少し、3錠では約50%と減少率も高い数字を示している。

 一方で日本の場合、欧米と比べ口腔ケアの徹底度が低いのも事実だ。01年にライオンが実施した、米ニューヨーク・マンハッタンと東京・大手町のサラリーマンを対象にした「歯科定期検診の習慣」調査によると、米国では75%が「年に1回」「半年に1回」検診を受けているのに対し、日本では62%が「定期検診の習慣はない」と答えている。

 八重垣主任教授は、口臭予防は健やかな生活を送るために必要と話し、日々のていねいな歯磨きに加え、歯科での検診・歯石除去を定期的に受診すべきと強調。特に子どものころから、口腔ケアを習慣付けることで、「自分の健康は自分で守る」ことを学び、子どもの「生きる力」につながると訴えている。

 2007年11月20日

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