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肥満が免疫反応を弱める

肥満の人が感染症に弱いのは、免疫反応の弱さが原因であることが示され、米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」オンライン版に12月12日掲載された(印刷版12月18日号に掲載)。研究を率いたボストン大学(マサチューセッツ州)歯学部のSalomon Amar博士によると、肥満の人の感染症が治りにくい理由は長い間わかっていなかったが、今回、肥満によって一部の免疫機序に機能不全が生じることが明らかになったという。

 Amar氏らは、歯肉感染症を引き起こす細菌Porphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ギンギバリス)で汚染した絹糸を肥満マウスおよび標準体重マウスの臼歯(きゅうし)に結びつけ、骨の欠損および歯周辺の細菌の成長を評価することによって、感染症に対する反応を比較した。その結果、肥満マウスには細菌に対する免疫反応に欠陥がみられ、標準体重マウスに比べて感染症にかかりやすいことが判明した。

 研究グループはこのほか、感染症予防に重要な役割を果たすマウスの白血球についても調べた。肥満マウスの白血球は、重要なシグナル分子の値が低く、炎症を抑える遺伝子の一部に変性が認められたという。なぜ肥満がこのような結果をもたらすのかは不明だが、NF-kBと呼ばれる蛋白(たんぱく)を制御するシグナル経路の関与が考えられるという。絶えず食べ物にさらされることによってこの蛋白に変性が生じ、ある時点を過ぎると生体が感染症に適正な反応を示さなくなるとAmar氏は説明している。

 ヒトでもこれと同じ機序が働くとAmar氏はいう。実際、ヒトを対象とした研究で、肥満の人が標準体重の人に比べて歯周病になりやすいことが明らかにされている。歯周病は細菌が原因となり、歯を支える骨が炎症を起こし破壊される疾患である。Amar氏は、肥満の人は感染症を防ぐために通常とは異なる治療が必要であるとして、積極的な抗生物質の使用や、免疫反応を向上させる治療の必要性を指摘している。

 米イーストカロライナ大学(ノースカロライナ州)医学部のSara G. Grossi博士は、この知見は肥満と感染症との密接な関係を明らかにする非常に興味深いものだと述べている。同氏は、肥満と歯周病のどちらも、治療するより予防する方が簡単とも指摘している。

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2007年12月27日 23:08に投稿されたエントリーのページです。

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