睡眠中の歯ぎしりが、ストレスを発散し、胃かいようの予防に
効果を発揮していることが、神奈川歯科大学高次脳口腔科学研究センター
(横須賀市稲岡町、代表=佐藤貞雄教授)の研究で分かってきた。
研究グループは、二十匹の実験マウスを六時間にわたり体を固定し、
水や食べものを与えない拘束ストレスを与えた上で、
筋電図で歯ぎしりをしているかいないかを計測。
さらに胃潰瘍の進行状態との関係を調査した。
それによると、マウスの歯ぎしりようの運動の平均時間は五百五十秒。
それぞれ個体差があり、歯ぎしりを約二百秒しかしなかったマウスは
胃の血管が赤くなったり粘膜の約90%に出血がみられたりした。
これに対し、平均を上回る約八百秒に達したマウスは半分以下の
40%程度にとどまっていた。
マウスに棒をかじらせることで胃潰瘍の状態が改善することも判明。
佐藤教授は「これまで歯ぎしりはやっかい視され、治さなければならないもの
ととらえられてきたが、病気を予防するという良い効果もある」と説明。
さらに「ストレスが記憶力を低下させることも分かっている。
かむ効果は、認知症の予防にもつながる可能性がある」としている。
一方で、歯ぎしりが歯を悪くし、歯周病の原因にもなりかねない点を踏まえ、
「歯のかみ合わせをきちんとチェックして、悪い場合は矯正するなど
日ごろから正しいかみ合わせに心がける必要がある」とアドバイスしている。
同教授は今後、自治医科大の研究グループと合同で、歯ぎしりと、
全身の健康や病気との関係について研究を進めていくことにしている。