兵庫県立人と自然の博物館(同県三田市)は12日、
同県篠山(ささやま)市と丹波市にまたがる白亜紀初頭の
「篠山層群」下部層(約1億3900万~1億3600万年前)の地層から、
国内最古級の哺乳(ほにゅう)類の右下あごの化石が見つかったと発表した。
体長は約十数センチで、外見は体毛に覆われたネズミに近い姿とみている。
哺乳類の進化の起源を解明する貴重な手がかりになるという。
同館によると、97年に石川県白峰村(現白山市)で、
同じ白亜紀初頭の地層で見つかった哺乳類の化石が最古とされていたが、
今回の化石はほぼ同時期かそれより900万年ほど古い可能性がある。
大臼歯のかみ合わせの形状に現在の哺乳類と共通する特徴があり、
現哺乳類の祖先に近い種類とみられる。
地元の地学愛好家が07年10月に篠山市内の私有地で
別の脊椎(せきつい)動物の化石を発見し、同館が周辺を調査していた。
化石は下あごの右部分(長さ約2.5センチ、幅約1センチ)で、下あごの骨と
犬歯、小臼歯、大臼歯など8本の歯がほぼ完全な状態で出土した。
歯の形状から植物か虫を食べていたとみられる。
あごの化石に残る歯の根が哺乳類の特徴の二股になっていた。
中国遼寧省で02年に発見された哺乳類共通の祖先とされる
約1億2500万年前の真獣類「エオマイア・スカンソリア」の化石と似ており、
同館は「真獣類へ進化する以前の哺乳類の姿を探る貴重な資料になる」
としている。
篠山層群と同じ白亜紀初頭の哺乳類の化石は、
イギリスやポルトガルなど11カ所からしか見つかっていない。
世界最古の哺乳類化石は米テキサス州で出土した
アデロバシレウス類の頭の骨の破片で、
約2億2500万年前のものと推定されている。
篠山層群では06年夏以降、国内最大級の体長十数メートルの
植物食恐竜「丹波竜」の頭や腰、尾などの化石が見つかっている。