兵庫県の姫路YMCAが91年からカンボジアの農村に
贈ってきた歯ブラシが、昨年までに総計60万本を突破した。
現地では歯ブラシを使う習慣がほとんどなく、食生活の欧米化
などによる虫歯や歯槽膿漏は大きな問題。
来月にも5000本を贈る予定で、中心メンバーの歯科医、
英和夫さん(63)は「1本でも多く虫歯を減らしたい」と話している。
活動のきっかけは、姫路YMCAの元理事長で
歯科医の松崎豊さん(94年死去)が91年夏、
現地の難民キャンプを訪ねて検診したことだった。
歯槽膿漏が多いのに驚き、同年12月、
最初の歯ブラシ約3000本を届けた。
当初は10万本が目標だったが、YMCAの全国ネットワーク
を生かして拡大。
近年は毎年1、2回、首都プノンペンから車で約2時間の
タケオ州バティ郡の小学校に新品約5000本を贈り、
児童や家族、保健担当教諭らに使い方を指導している。
現地では歯ブラシは高級品で、指で歯を磨く人は今も多い。
活動を始めたころは届けた翌日に市場で売られていたこともあったが、
最近は歯磨きへの理解が深まり、住民の中には
自費で購入する人も現れてきた。
歯磨き粉を使わないブラッシングだけでも効果があるといい、英さんは
「まず『歯磨きを学びたい』という気持ちを持ってもらうことが目的」と話す。