« ビタミンC 歯槽骨の破壊抑制 | メイン | 親知らずの歯から新万能細胞 »

虫歯ができる前にレーザーで検知

レーザーを用いて、虫歯ができる前に問題のある歯を
検出できるようになる可能性があるという。
「ラマン分光法(Raman spectroscopy:RS)」と呼ばれるこの技術自体は
新しいものではなく、別の分野ではさまざまな化学物質の識別に
長年用いられているが、ごく初期段階の歯の腐食を検出するのに
RSを用いたのは今回が初めてだという。

この技術を用いると、正常なエナメル質と腐食しつつあるエナメル質とを
区別でき、さらに技術が発展すれば歯科医が初期の腐食を検出できると、
研究著者の1人である英ロンドン大学キングス・カレッジ(KCL)の
大学院生Francs Downey氏は述べている。
まだ予備段階だという今回の取り組みは、ロンドンで開催された
「Microscience(マイクロサイエンス)2008」会議で報告された。
Downey氏は5年後には実用化の可能性もあるとしているが、
現時点では、実際の患者ではなく抜歯済みの歯での実施にとどまっている。

今回の研究では、歯垢(しこう)に存在する微生物が産生する酸によって
エナメル質のミネラルが失われて虫歯が発生するという点に着目。
RS光ファイバーで個々の歯にレーザー光を当て、
正常なエナメル質と腐食したエナメル質の化学組成から発生する
独特の光パターンを追跡することに成功した。

理論的には、この方法で従来の目視やX線による検査よりも
はるかに早い段階ですばやく歯の腐食を検知できるはずだと
研究グループはいう。
医療用口腔洗浄液やフッ素塗布により腐食した部位を修復し、
虫歯になるのを防ぐことができれば、ドリルで歯を削る治療が
不要になる可能性もある。
研究を指導したFrederid Festy博士によると、現在、
患者を対象とする大規模研究の準備段階に入っているという。

しかし、これでドリルによる治療が過去のものになるとはいえない
とDowney氏は述べている。
現段階ではこの方法は高価で時間もかかり、また甘いものを食べ過ぎる人や
頻繁に歯科検診を受けない人も多いため、まだまだドリルも必要だという。
専門家の1人はこの革新を絶賛し、
「虫歯を発生前に予防する技術はどんなものでも大歓迎する。
口腔内に施す処置は最小限にとどめたい」と述べている。

About

2009年01月25日 14:33に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「ビタミンC 歯槽骨の破壊抑制」です。

次の投稿は「親知らずの歯から新万能細胞」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。