岡山大大学院の河井まりこ助教らは、電気刺激を利用して
骨の形成にかかわる遺伝子を細胞に入れて骨を再生する方法を開発、
動物実験で効果を確認した。
新たな骨の再生治療につながる成果として、
東京都で始まった日本再生医療学会総会で発表した。
細胞に電気刺激を与えることで瞬間的に開いた細胞膜から
タンパク質や遺伝子を細胞内に送り込む電気穿孔法という手法。
植物の遺伝子組み換えなどで既に利用されている。
河井助教らは、歯を支える歯槽骨の再生を研究する過程で、
骨の形成を促すタンパク質「BMP」に着目。
ラットを使い、BMPの遺伝子を細胞内に入れて
骨が形成されるかどうかを調べた。
50ボルトの低電圧による電気穿孔法でラットの後ろ足の筋肉に
BMP遺伝子を入れ、10日後に骨ができているのを確認した。
電気穿孔法ではなく、この遺伝子を筋肉に直接注射した場合は
骨はできなかった。
電気穿孔法は、ウイルスをベクターとして使用する遺伝子導入法と異なり、
人体への影響が少ないのが特徴。
電気刺激を与える時間も30秒程度で済むという。
現
在は歯槽骨の再生を目的とした動物実験を進めており、河井助教は
「より人体に負荷のかからない手法を検討し、早期の臨床応用を目指したい」
としている。