歯の表面では、エナメル質の主成分が溶け出す脱灰と、
それを回復する再石灰化が繰り返されている。
唾液に含まれるリン酸とカルシウムが再石灰化することで、
歯は硬くなり、虫歯になりにくいという仕組みだ。
大阪歯科大学の神原正樹・教授は、小学生を対象に、
リン酸化オリゴ糖カルシウムを配合したガムを1年間、
給食後にかんでもらった。
その結果、口の中の酸を中和して虫歯になりにくくする効果が認められた。
このガム「ポスカ」を販売するのは、江崎グリコ。
特定保健用食品に指定され、歯科医院で売っているガム
「ポスカム」と同様、リン酸化オリゴ糖カルシウムを含む。
同カルシウムを用いて処理した再石灰化部は、
単にミネラル量が回復しているわけでない。
江崎グリコ健康科学研究所の田中智子さんによると、
近年の研究で「健康な歯と同じ秩序だった結晶の並びと
同様に復元されていることが分かった」という。
解析したのは、物質を原子レベルで分析する大型放射光施設
「スプリング8」(兵庫県佐用町)だ。
この成果は、5月に英国で刊行された国際結晶学会の
専門学術誌でも紹介された。