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2007年01月12日

歯ぎしりが胃かいようを予防

睡眠中の歯ぎしりが、ストレスを発散し、胃かいようの予防に効果を発揮していることが、神奈川歯科大学高次脳口腔(こうくう)科学研究センター(横須賀市稲岡町、代表=佐藤貞雄教授)の研究で分かってきた。

 研究グループは、二十匹の実験マウスを六時間にわたり体を固定し、水や食べものを与えない拘束ストレスを与えた上で、筋電図で歯ぎしりをしているかいないかを計測。さらに胃かいようの進行状態との関係を調査した。

 それによると、マウスの歯ぎしりようの運動の平均時間は五百五十秒。それぞれ個体差があり、歯ぎしりを約二百秒しかしなかったマウスは胃の血管が赤くなったり粘膜の約90%に出血がみられたりした。これに対し、平均を上回る約八百秒に達したマウスは半分以下の40%程度にとどまっていた。

 マウスに棒をかじらせることで胃かいようの状態が改善することも判明。佐藤教授は「これまで歯ぎしりはやっかい視され、治さなければならないものととらえられてきたが、病気を予防するという良い効果もある」と説明。さらに「ストレスが記憶力を低下させることも分かっている。かむ効果は、認知症の予防にもつながる可能性がある」としている。

2007年02月06日

「『食べる』から育つこころと身体

浜松市歯科医師会では3月1日(木)に「『食べる』から育つこころと身体」と題し講演会を開催します。講師には乳幼児から高齢者まで、ライフステージに沿った口腔機能の育成・改善を専門とする「UTAKA DENTAL OFFICE」の佐々
木洋先生をお招きします。平成17年6月に食育基本法が成立後、各県市においても具体的な推進計画が検討されていますが、歯科の関与が薄い感があります。食育といっても良く噛めることが前提であり、健康な歯と口の機能が不可欠です。医療の中でも食べる機能を支える立場にある歯科として、食育にも一歩踏み込んで研鑽し、応援する必要があります。対象は会員歯科医師の他、歯科衛生士、行政、学校保健会関係者(栄養士、養護教諭、保健主事等)。

2007年02月07日

「食後の歯磨き」

中高年者が、日頃の健康維持のために心がけていることとして、3人に1人は「食後の歯磨きをする」と答えている。厚労省が団塊の世代を含む全国の50~59歳の男女を対象に行った「第1回中高年者縦断調査」によるもの。

発育中の親知らずから新たな幹細胞

発育中の親知らずから新たな幹細胞が発見され、将来的な歯の再生医療への応用が期待される―。岡山大学医学部・歯学部附属病院補綴科助手の園山亘氏は、発育途上の親知らずの歯根先端に、新たな幹細胞があることを発表した。研究は園山氏が米国留学中、南カリフォルニア大学に在籍するシー・ソンタオ博士の指導の下、米国、中国、韓国などからなる共同研究グループとともに行ったもの。

2007年02月20日

歯の再生 マウスで成功

歯のもとになる組織(歯胚(しはい))から、神経や血管を含め
歯をまるごと再生させることに、東京理科大と大阪大のチームが
世界で初めて成功した。
マウス実験での成功率は80%と高く、将来的に入れ歯や
インプラントに代わる方法として期待される。
さらに、開発した技術は他の臓器や器官の再生医療にも
応用できるという。
18日付の米科学誌「ネイチャーメソッズ」(電子版)に発表した。

臓器や器官の再生では、胚性幹細胞などを目的の細胞に
分化させる課題と、分化した細胞を臓器に形作る課題がある。
研究チームはすべての臓器や器官は、上皮細胞と
間葉細胞と呼ばれる2種類の細胞が反応しあって
形成される点に注目。
歯をモデルに両細胞を使って、器官の基になる「器官原基」を
生体外で組み上げる技術開発を進めた。

胎児マウスの歯胚から両細胞を採取。
それぞれの細胞に分離したうえ、寒天状のコラーゲンの中に
重ねるように入れ培養したところ、高さ0.25ミリの「歯の種」ができた。
これを拒絶反応を起こさない種類の大人のマウスの抜歯部に移植すると、
約2カ月後には長さ4.4ミリに成長。
歯の内部には血管と神経があることを確認した。
抜歯部に移植を試みた22回中17回で歯が再生した。

一方、マウスの毛でも同様の方法で培養し、毛の再生にも成功した。

人での実施には、胎児からの歯胚入手という倫理上の課題や、
別人からの移植に伴う拒絶反応の問題もある。
研究チームは、患者自身の口内や頭皮から、基になる細胞を探していくという。

辻孝・東京理科大助教授(再生医工学)は
「臓器や器官が作られる仕組みを忠実に再現したことでうまくいったと思う。
肝臓や腎臓などの再生も試みたい」と話す。

2007年02月28日

歯の健康「改善」「重症」2極化

歯の健康「改善」「重症」2極化 浜松市歯科医師会 45~55歳対象に調査

歯に対する健康意識が二極化している―。市民の口腔衛生状態や意識などを調査分析する「デンタルサーベイランス事業」で、浜松市歯科医師会(柳川忠広会長)が、45―55歳の受診者を対象に調査を実施したりしたところ、こんな結果が浮き彫りになった。
同事業では、昨年8月から10月にかけて旧浜松市内の160カ所の歯科医院でアンケート調査を行い、269人の有効回答が得られた。同会によると、調査対象の年齢層は歯が悪くなり始める時期。
同事業の保有歯数をみると、健康の目安となる20本以上の人の割合が前回調査時の平成9年に比べて10ポイント増えて93・8%に達し、歯の健康状態が平均的に改善していることが裏付けられた。また、歯ブラシ以外の歯間清掃用器具を使う人の割合は7割を超えた。
しかし、17年の市歯周疾患検診者(1670人)の歯の状態をみると、重症の「深いポケットあり」の人の割合が15%前後と4年前とほぼ変わらず、同事業では重症者のうち22・5%が「症状がよくわからない」と回答。同会によると、歯の健康に気を使う人が増える一方で、悪化する疾患に気付かず歯が痛くなってから受診する人も依然多いという。
柳川会長は「健康意識に二極化の傾向が見られる。歯周疾患は自覚症状を欠く病気なので、意識が高まらなければ悪化する」と歯周疾患検診の重要性を指摘している。

2007年03月03日

少年のスポーツにもマウスガード着用を

 スポーツの普及に伴って事故、傷害の発生も増加している。外傷の多くが歯、あご、唇、舌の外傷であり、スポーツ傷害の50%が口の周辺で生じているという報告もある。そうした傷害を防ぐ具体的対策として注目されるのがマウスガード。青少年のスポーツ活動にも、少しずつ導入されているマウスガードについて、県歯科医師会会員の若林秀典、細井雅晃両氏に聞いた。


●口周辺の傷害防ぐ

 マウスガードをご存じですか。よく目にする代表的なものはボクシングの選手が口にはめ込むマウスピース(マウスプロテクター)です。現在、これを義務付けているスポーツはボクシング、空手、アメリカンフットボールなどですが、今後、義務付けられる種目が増えることが予想されます。

 マウスガードは柔軟性のある弾性材料で各自の歯並びに完全にフィットするように歯を覆い、歯が折れたり、あごの骨折を予防するだけでなく、頭(脳)や首(頚椎(けいつい))へのダメージを軽減し、また、歯による唇、舌、ほおの裂傷を防止するものです。

●お薦めは適合性のよいカスタムメイド

 さらに、装着することによって、歯をくいしばれることから、運動能力がアップし、良い成績が得られるとも言われています。最近では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療に条件つき(鼻呼吸ができて、十八歳以上で歯が二十本以上等)ではありますが効果があると報告されています。

 マウスガードは柔軟性のある素材で作られていて、いくつかのタイプがあります。ひとつにはスポーツショップで市販されている既製品で、お湯で軟化して咬(か)みこんで使用します。安価で素人にでもできますが口唇やほお粘膜、舌へのフィット感は今ひとつで呼吸がしにくいなど問題点もあります。

 これに対し、より精密で違和感のないのはカスタムメイドと呼ばれるタイプです。これは歯科医院で個人の口の中の型をとり、大きさや厚さ、咬み合わせ等を考慮して作ります。保険適用外のために金額は高くなってしまう欠点があります。また、子供はあごの成長や歯の萌出の状態によって合わなくなるのでその都度、作り替えることになります。

 プロのスポーツ選手の使用で一般の人の目にも触れるようになりましたが、普及率はまだ低いのが実情です。口のまわりへの外傷を未然に防ぐという意識を指導者や選手が持ち、適合性のよいカスタムメイドのマウスガードの装着率を上げることが望まれます。

2007年03月06日

コンビウェルネス、介護予防向け摂食・嚥下トレーニング器具を開発

国内初、介護予防向け摂食・嚥下(えんげ)トレーニング器具を開発
「ラビリントレーナー」3月15日より発売


 コンビウェルネス株式会社(以下、コンビウェルネス)は、摂食・嚥下(えんげ)訓練専用のトレーニング器具「ラビリントレーナー」を開発し、2007年3月15日より発売します。


 2006年4月にスタートした改正介護保険法では、新予防給付の介護予防メニューに「口腔機能向上」が新設されるなど、高齢者の「口腔機能向上」の重要性が注目されはじめております。「口腔機能向上」とは、「口腔衛生指導」と「摂食・嚥下(えんげ)訓練」の2要素で構成されており、今回、「摂食・嚥下(えんげ)訓練」に最適な器具として、日本歯科大学附属病院口腔介護・リハビリテーションセンターの協力のもと「ラビリントレーナー」を開発したものです。

 高齢になると唇と舌などの筋肉が衰える事が原因で、食事中にむせたり、スムーズに飲み込み(嚥下)難くなる事があります。摂食・嚥下(えんげ)機能障害が続くと低栄養・脱水に加え、気道感染しやすくなり、様々な病気を誘発する場合があります。

 「ラビリントレーナー」は、同梱のマニュアルに従って口腔トレーニング「ラビリン体操」を行うことで、唇と舌の筋力を効果的に鍛えることができます。

 日本歯科大学附属病院口腔介護・リハビリテーションセンター菊谷武センター長のコメント「このラビリントレーナーは、摂食・嚥下(えんげ)機能に欠かせない口唇と舌の筋力を鍛えるための訓練器具です。口腔機能向上サービスのなかでは軽度要介護の高齢者や特定高齢者の方々が利用され、口唇や舌の力、動きの向上がみられています。また、脳血管障害後遺症の患者様のリハビリテーションにも利用され、食べこぼしの改善や嚥下機能の回復にも効果がみられています。口腔の筋肉を鍛え、美味しく安全にお食事できるよう、トレーニングしてみましょう。」

 「ラビリントレーナー」は、全国百貨店・量販店・介護専門店などで販売するほか、地域の介護予防サービス受託業者、リハビリセンター、歯科医院・病院などに向けても販売されます。

2007年03月26日

「地域歯科保健推進を」県歯科医師会ら、市長に取り組みを要望/静岡県

静岡県歯科医師会の飯島理会長、磐周歯科医師会の役員、県関係者らが2月20日、袋井市役所を訪れ、原田英之市長に地域歯科保健の推進を要望した。
 県歯科医師会は本年度、口腔の健康が全身の健康に影響を及ぼす現実を地域に幅広く伝えようと、県内全42市町を順次訪問している。
 この日は、県の歯科保健担当者が歯の健康が身体に及ぼす影響や、フッ素洗口を実施している自治体の虫歯発生率が相対的に低いことなどをデータを示して説明。その上で、住民、行政、専門家が一体となり、啓発活動などに取り組む「住民歯科会議」の開催を要望した。
 原田市長は「健康文化都市を掲げ、健康施策に取り組んでいるが、これまで歯の部分は出にくかった。今後は施策の中に歯の部分も根付かせたい」と述べた。
 また、県と県歯科医師会はフッ素洗口を小中学校で実施することも合わせて要望。これに対し、同席した戸塚雅之教育長は「安全性などの理解を進めた上で、導入に努力したい」と応じた

2007年03月28日

キシリトールは犬にとっては有害 

砂糖の代わりにクッキー、ミントキャンデー、ガムなどに使われる甘味料「キシリトール」を犬に与えると血糖値が下がり、命に危険が生じるとして米動物虐待防止協会(ASPCA)・毒物センターが注意を呼びかけている。

 「非常に深刻な問題。犬は少量でも死に至るケースがある」と毒物センターのダナ・ファーブマン広報担当。昨年8月、獣医らに警告文を送り、診療所の張り紙、ASPCAのウェブサイトなどで警告しているが、まだ知らない人が大勢いるという。

 ASPCAによると、犬はキシリトールの製品を少しでも食べると30分以内に血糖値が急激に下がり、嘔吐(おうと)を始め、立っていたり歩いたりすることが困難な状態になる。発作、大量の内出血、内部損傷、肝不全を引き起こした例もある。体重20ポンド(約9070グラム)の犬の場合、2、3枚のキシリトールガムでも中毒になる。

 万が一の際は早急にブドウ糖を点滴することだという。

 毒物センターは2002年以降、キシリトールで犬が死亡した事故は10件あったが、肝臓が悪くなってから来院し、飼い主が何を食べさせたかを忘れていることもあるので実際にはもっと多いとみている。

 キシリトール製品のメーカーは「糖尿病患者など砂糖に代わるものを探している人を対象にした製品であり、犬を対象にはしていない」としている。犬以外のペットがキシリトールで中毒を起こした例はまだないが、獣医らはペット全般に与えないよう指示している。(USA TODAY)

2007年03月30日

高齢者の在宅医療

2007/03/29-20:21 高齢者の在宅医療、チームで=08年度の新制度創設に向け-社保審部会
 2008年度に創設される75歳以上の高齢者を対象にした新医療制度に向けて、社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の特別部会は29日、提供すべき医療サービスの基本方針をまとめた。掛かり付け医を中心に、地域の医師や歯科医師がチームを組み、1人の高齢患者を総合的に診察・治療するのが柱。複数の医療機関での受診や投薬の重複を避けつつ在宅での医療を促す。

2007年04月01日

医師の処分、ネットで検索 厚労省が4月から新システム

厚生労働省は4月1日から、医師と歯科医師の免許の有無や行政処分などについて、インターネット上で検索できるシステムを導入する。患者自らが医師の情報を手軽に調べることができるため、無資格診療の防止など医療安全の向上に役立つと期待されている。

 医師は、厚労省が管理する「医籍」に名前や登録番号、処分歴などが登録されているが、免許の有無については、これまで医師の名前と生年月日、登録番号を厚労省に提示して照会しないと確認できなかった。

 4月1日正午から開設される新システムは、厚労省のホームページから「医師等資格確認検索」にアクセスする。医師の名前と性別、一般医師か、歯科医師かを入力して検索すると、医籍の登録年や、医業停止中かなど行政処分に関する情報が表示される。

2007年05月15日

“法歯学”で児童虐待見抜く 虫歯多く未治療、変色など

 歯の鑑定で遺体の身元確認などを手助けする「法歯学」をめぐり、発覚しにくいとされる「児童虐待」を見抜く診察が注目されている。専門家らでつくる「日本法歯科医学会」も設立され、歯科医と捜査現場との新たな連携や研究の蓄積などによって、児童虐待の早期発見につながると期待されている。(伊藤真呂武)

 法歯学が認知されるようになったのは、520人が死亡した昭和60年の日航機墜落事故。遺体の損傷が激しく、身元の特定は難航したが、群馬県警に委託された法歯学者や民間の歯科医が歯型や治療痕の照合を行い、犠牲者の40%以上の身元確認にこぎつけた。

 墜落事故後、歯科医が警察の鑑定業務に協力する「警察歯科医」制度が全国に広まり、身元確認の事例が蓄積されてきた。また、平成16年のスマトラ島沖地震など国内外の大規模災害の現場に歯科医が派遣されるケースも増え、派遣業務に対応する学会の設立を求める声が上がっていた。

 一方、歯科医の重要な役割として近年、注目されているのが児童虐待の早期発見だ。

 口の周りが切れたり、歯が欠けるといった外見的特徴のほか、虫歯でないのに歯が変色していれば、過去に殴られるなど強い衝撃が加えられた可能性が疑われるという。

 東京都歯科医師会が14年度に、虐待を受けた12歳以下の170人を対象に歯の状態を調査したところ、虐待児童は一般児童より虫歯が多く、未治療の傾向が見られた。

 調査によると、6歳未満の虐待児童の47.6%に虫歯があり、都内平均20.9%の2倍以上。虫歯の数は都内平均0.9本の3倍以上の約3本で、未治療は約半数にのぼった。特にネグレクト(養育放棄)の児童は、ほかの児童と比べて虫歯所有率は約8ポイント、本数は約2本、未治療の虫歯所有率は約7ポイント高かった。

 身体的な児童虐待は服を脱がせないと発見が難しい場合もあるが、12歳以下の児童は、自治体や小学校で定期的に行われる歯科健診で早期発見が期待されている。

2007年05月28日

平成19年度「歯の衛生週間」の実施

1. 歯の衛生週間について
「歯の衛生週間」は、厚生労働省、文部科学省、日本歯科医師会が主催して毎年6月4日から10日まで行っています。その目的は、歯の衛生に関する正しい知識を普及するとともに、歯科疾患の予防の徹底を図り、あわせてその早期発見、早期治療を励行することにより、国民の健康を増進することです。・・・実施要領
平成19年度「歯の衛生週間」の実施について
「歯の衛生週間」の前身は、昭和3年に日本歯科医師会が6月4日を「ムシ歯予防デー」として、口腔衛生の普及を行ったことに端を発しています。その後、昭和33年に、「歯の衛生週間」として現在の形で、行うようになりました。

平成17年歯科疾患実態調査結果によると、歯科保健に対する関心の高まりや、歯科医師等による歯科疾患の予防と歯の保存治療への取り組みによる成果により、8020達成者(80歳で20本以上、自分の歯を持つ者)が増加する等、わが国の歯科保健の状況は向上しています。しかし、80歳における一人平均現在歯数は約10本であり、今後、地域や歯科医師会なども連携して、国民自らが、それぞれの立場に応じた、生涯を通じた歯科保健対策を進めていく必要があります。
内閣官房長官主宰の「新健康フロンティア戦略賢人会議」においてとりまとめられた「新健康フロンティア戦略」においても、今後、国民自らが取り組んでいくべき9つの分野の1つに歯の健康づくり(歯の健康力)が入っています。


本年度の標語
「ずっとずっと いっしょがいいな 自分の歯」

実施期間
平成19年6月4日(月)~同年6月10日(日)までとする。

2007年05月31日

ラクトフェリン等の歯周病、原因菌への抗菌活性を確認

乳由来の蛋白質「ラクトフェリン」と、ラクトフェリン由来の抗菌ペプチド「ラクトフェリシン」に、歯周病の原因菌の発育を抑制する作用があることを確認した。新潟大学大学院医歯学総合研究科と行ってきた共同研究による成果で、研究結果については、先に東京で開かれた日本農芸化学会年次大会で発表された。
 昨年、新潟大学との共同研究によるヒト試験で、ラクトフェリン入りトローチ錠の摂取により、歯周病の原因菌プラボテラ・インターメディアの菌数が減少することを明らかにしているが、今回は試験管内でラクトフェリンとラクトフェリシンが直接、歯周病菌を抑制するかどうかを検証した。
 プラボテラ・インターメディア(ATCC25611株)を対象菌に、5時間または8時間培養後の歯周病菌の発育量を測定した。菌数107/mLのプラボテラ・インターメディアを8時間培養すると、8mg/mLのラクトフェリンまたは0・4mg/mLのラクトフェリシンの存在下で、発育量が抑制されることが示された。また菌数104/mLのプラボテラ・インターメディアを5時間培養すると、0・13mg/mLの低濃度のラクトフェリンでも発育を抑制するなど、歯周病菌に対しての直接的な抗菌活性が明らかとなったとしている

2007年06月05日

受動喫煙 煙吸うだけで歯茎黒く

愛知学院大歯学部(名古屋市千種区)の稲垣幸司助教授(48)(歯周病学)が、歯並びの矯正治療などで付属病院を訪れる子供たちの中に、時々「歯茎が黒ずんでいる子」がいるのを不思議に思ったのは、1999年ごろのことだった。

 間もなく、他人のたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」が続くと、歯周病になる危険性が高くなるという研究結果が、海外で発表された。さらに、「子供の歯茎の黒ずみは、受動喫煙によってメラニン色素が沈着して起こる」という報告が出た。

そこで、数年間をかけて、同学部などで5歳から26歳の53人を対象に調査したところ、同居家族に喫煙者がいる場合、吸う人がいない子供と比べ、色素沈着が多く見られることが判明した。また、沈着が起きる割合は、受動喫煙が原因で発症するぜんそくやアレルギー疾患の割合より高かった。

 これらの結果は先月、松山市で開かれた日本禁煙学会でも報告され、注目を集めた。稲垣助教授は「たばこを吸わない子供にまで、大きな影響を及ぼすことを痛感した」と話す。

 喫煙そのものも、口腔(こうくう)内の健康を大きく損ねる。例えば、喫煙者が虫歯になる率は吸わない人の2倍、歯周病になる率は2~8倍にも上るとされる。
理由は、喫煙直後に唾液(だえき)腺や歯茎が貧血状態になり、唾液が出なくなるためだ。カルシウムやミネラルといった歯を保護する成分を含む唾液が減れば、歯がもろくなったり、歯茎の免疫力が衰えたりし、歯周病などの危険性が増すのだ。

たばこが原因の色素沈着や歯周病などは、禁煙することで症状は改善される。しかし、受動喫煙による色素沈着はなかなか回復しない例もあり、一度受けた打撃は深刻だ。

2007年06月09日

歯科衛生士の“卵”がコツ伝授 中区の幼稚園

浜松市中区鴨江の浜松歯科衛生士専門学校の生徒が4日、教育実習の一環で同市中区相生町の相生幼稚園を訪れ、園児88人に正しい歯磨きの仕方を“伝授”した。
 白衣姿で登場した生徒15人は5月に戴帽式を終えたばかり。「私たちは歯医者さんにいる“看護師さん”」と歯科衛生士の仕事内容を説明した後、歯の模型を使って歯ブラシの持ち方や前歯、奥歯それぞれの磨き方を教えた。
 園児たちは歯垢(しこう)部分が赤く染まる特殊な染液を使い、磨き残しを鏡で確認しながら「シャカシャカ」と声を上げて楽しく歯磨きした。

2007年06月15日

中国から輸入された練り歯磨きから有害化学物質

厚生労働省は15日、中国から輸入された練り歯磨きから有害化学物質「ジエチレングリコール」が検出されたと発表した。微量で人体に危険はないという。健康被害の報告もないが、業者は15日から自主回収を始めた。
 この練り歯磨きはJTB商事(東京都豊島区)の「Cool・White」「Js´BEAU―FRE」と昭和刷子(愛媛県内子町)の「BEAU―FRE」。両社が中国の化粧品会社に05年4月から委託製造させた。1カ月で100万本以上販売されており、国内の約1000ホテル・旅館で使われているという。一般には販売されていない。
 同物質に関しては米食品医薬品局(FDA)が今月1日、練り歯磨きから検出したとして中国製歯磨きを輸入・使用しないよう警告していた。

★ジエチレングリコール
エチレングリコール(HOCH2CH2OH)2分子が脱水縮合したHOCH2CH2OCH2CH2OHの化学構造式で示される水溶性の無色無臭の粘稠な吸湿性液体で、甘味があります。医薬品原料、食品添加物としての使用が認められている国はありません。工業用溶剤、ブレーキ液、不凍液、燃料添加剤などさまざまな用途に用いられています。中毒例の多くは経口摂取によるものであり、中毒症状は吐き気、嘔吐、頭痛、下痢、腹痛で、大量のジエチレングリコールに暴露されると腎臓、心臓、神経系に影響を及ぼします。ヒトに対する経口致死量(LD50)は1000mg/kg体重です(医歯薬出版㈱産業中毒便覧増補版pp775参照)。

名前のよく似た化合物にプロピレングリコール(HOCH2CH2CH2OH)がありますが、これは食品衛生法で使用が認められている食品添加物です。生めん、いか薫製品に2.0%以下、ギョウザ・シュウマイ・ワンタン・春巻きの皮に1.2%、その他の食品に0.60%以下の使用基準があります。静菌効果や保湿効果を期待して食品に添加されます。

2007年06月25日

「入れ歯の輸入認めるな」歯科技工士80人、国を提訴へ

2007年06月22日

 中国など海外で安く作られた入れ歯の輸入を厚生労働省が認めているのは問題だとして、歯科技工士80人が22日、国を相手に計1億3600万円の損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こした。診療報酬が低いため、歯科医が義歯類の作製代の大幅な値引きを求めてきたり、海外業者に委託したりしているため、廃業した技工士が増えているという。

 提訴したのは「訴訟を起こして歯科技工士を守る会」(東京)の脇本征男代表(64)ら全国の技工士たち。

 歯科技工士法では、義歯類を作れるのは歯科医と、国の免許を得た専門職の技工士だけ。違反者には刑罰があり、材料も指定されている。ところが近年、日本人患者の義歯類を中国などで作らせるあっせん業者が出て、かなりの歯科医が利用するようになった。

 脇本さんらは何度も「海外なら無資格者が作ってもよいのか」「粗悪品や有害物質を検査しなくてよいのか」と厚生労働省に実態調査や規制を求めてきた。

 しかし、同省は05年9月、各都道府県に対し、「歯科医が患者に十分、情報を提供し、同意を得ればよい」と歯科保健課長通達を出した。

 このため、訴状では、国は歯科技工士法に違反し、歯科技工士制度の根幹をゆるがしているなどと指摘、歯科技工士としての地位保全と損害賠償を求めた。

国外作成の補綴物は保険対象外

政府は22日、国外で作成された歯科用補綴物について
「質が一律に担保されていないため医療保険の対象とするのは困難」
とする答弁書を決定した。

また、欧米など国外の歯科医師が発注した補綴物を
日本で作成する場合は、国内の歯科医師が発注した時と同様に、
作成者が歯科医師や歯科技工士でなければ歯科技工士法の
規定に違反するとした。

仙石由人衆院議員(民主)の質問に答えたもの。

2007年08月21日

歯のエックス線写真で身元確認ソフト開発

2007年8月19日

 十二日に発生から二十二年を迎えた一九八五年の日航ジャンボ機墜落事故をきっかけに、高崎市の歯科医師が歯のエックス線写真による独自の身元確認ソフトを開発した。身元不明者の写真を正確に、早く一致させられるのが特長。十一月に米国シカゴで開催される国際会議で発表する。歯科医師は「大事故の際、多くの遺体を確認せざるを得ないご遺族の心痛を少しでも和らげられれば」と念願している。 (菅原洋)

 この歯科医師は同市高関町の歯学博士小菅栄子さん(36)。小菅さんは七年ほど前に県内で初めて女性歯科医師として検視警察医に。父の篠原瑞男さん(62)も歯科医師だ。

 篠原さんは日航機事故の際、三日目から約一週間、藤岡市の遺体安置所に通い詰め、数百体の身元確認に取り組んだ。五百二十人が犠牲となった大事故。この父の姿を見て、当時既に歯科医師を志していた中学生の小菅さんは「歯科医師に身元確認という重要な仕事がある」と知らされた。

 十年ほど前に歯科大を卒業すると同時に身元確認ソフトの研究を始め、その当時から父親らとともに「御巣鷹の尾根」に命日の慰霊登山を毎年続けている。

 そんな二〇〇二年の慰霊登山で、小菅さんにソフトの開発を後押しするある出来事が。小菅さんらに高浜雅己機長=当時(49)=の妻淑子さんが「夫とされる五本だけの歯が本物なのか、(その当時までの)十七年間悩み続けている」と打ち明けたのが始まりだった。

 「歯による身元確認の説明責任が果たされていなかった」と衝撃を受けた小菅さん。小菅さんらは後日、淑子さんを高崎市内の歯科医院に招き、歯による身元確認の確実性を約一時間かけて丁寧に説明した。納得した様子の淑子さんの目から涙があふれる。「ソフトの開発を早く実現させなければ」。その時、小菅さんは固く決意をした。

 〇六年からは開発に東北大が協力。同大は画像同士の位置を正確に合わせ、類似性を数値にする「位相限定相関法」で進んだ技術を持つ。生体認証にも多く利用されているこの方法を取り入れ、ソフトの開発は大きく前進した。

 小菅さんによると、現在の歯による身元確認は主に写真を一枚ずつ手作業で判断している。開発したソフトはまず、障害となる写真のひずみなどを補正。身元不明者の写真と生前の写真が入ったデータベースを照合し、類似性の高い候補を絞り込む。最後に専門家がいくつかの候補の中から精査する。小菅さんがソフトの精度を確認したところ、例えば三千六百回の照合作業では、うち5%を精査するだけで済む結果が得られた。この開発成果は既に今春、国内で開かれた三つの学会で発表している。

 小菅さんは今月十二日の慰霊登山でも淑子さんに会い、ソフトの開発を資料を手渡して報告。「御巣鷹の“昇魂之碑”の前でもソフト開発といういい報告ができた」と感慨を込めている。

2007年08月31日

歯に関する最新キーワード“酸蝕歯(さんしょくし)

ムシ歯・知覚過敏予防に加え、酸蝕歯に着目
毎日摂取する飲食物に含まれる“酸”は歯のエナメル質を侵食して酸蝕歯をもたらし、さまざまな歯のトラブルをひきおこす原因となります。酸蝕歯は口腔ケアを怠った結果おこるのではなく、十分にケアしている人にもおこり、成人の約6人に1人(*2)は酸蝕歯であると報告されています。


毎日摂取する飲食物に含まれる“酸”は歯のエナメル質を侵食して酸蝕歯をもたらし、さまざまな歯のトラブルをひきおこす原因となります。酸蝕歯は口腔ケアを怠った結果おこるのではなく、十分にケアしている人にもおこり、成人の約6人に1人(*2)は酸蝕歯であると報告されています。

2007年09月14日

カスタムメイド人工骨の臨床研究順調に経過


  東京大学医学部付属病院ティッシュ・エンジニアリング部(高戸毅・部長)と(株)ネクスト21(東京都文京区本郷、鈴木茂樹・社長)は、事前にカスタムメイド形状の人工骨をつくり、顔の顎部分の形成のため実際の患者に移植する臨床研究に成功した。これは、基本的に固定せずに手術中には目的部位の骨膜下へ挿入するだけで、 従来の人工骨移植手術に比べ非常に短時間で移植手術でき、患者への負担を小さくできる。また移植後に自分の骨にほとんど置換できない従来の人工骨とは違い、吸収性がよく早期置換ができる。今後は治験を秋から開始する予定で、2010年の実用を目指す。

  両者が開発したカスタムメイド人工骨は、患者の顔面部分のX線CT画像を基に、変形した顎などに補填したい移植骨の形状を3次元データとして作成し、インクジェットプリンターを用いた3次元積層造形法でつくるものである。

  これは、既存の人工骨として多用されている「アパセラム人工骨」などとは、成形方法が大きく異なる人工骨である。「アパセラム人工骨」は、焼結したハイドロキシアパタイト材料であり、生体内での吸収速度は非常に遅く、ほぼ非吸収性である。これに比べて今回の「カスタムメイド人工骨」は、非焼結のリン酸カルシウム硬化体材料であり、焼結アパタイトより生体活性が高く、移植後は徐々に体内へ吸収され、再生される自分の骨と置き換わるのが早いのが特徴だ。

  焼かないので柔らかいが、ある程度の固さがあって支持力はある。荷重部位の骨としては移植できないが、顔面部分などに活用できる。移植してぴったり固着させるには、1ピースでなく2、3ピースのカスタムメイド人工骨にするのがベストだという。

  これまでに、動物への移植試験でその有効性を確認し、昨年6月から今年7月までに10名(女性9名、男性1名)の顎部分の骨欠損や骨変形患者に対して移植する臨床研究を、同病院顎口腔外科・歯科矯正歯科で医師主導により実施した。その結果は、各患者疾患部形状は改善され、副作用などの安全性に大きな問題もなく経過してきた。

  そのため、今後の治験へ向けて厚生労働省に治験計画届の提出をすでに済ませた。年内にはこのカスタムメイド人工骨の有効性と安全性を評価するための治験が開始できる見通しだとしている。治験は「非荷重部位骨のうち頭蓋骨、顎顔面骨、または自家骨移植後の腸骨等の欠損または変形」を対象疾患として、70名を予定。

  治験実施の候補としては、高度医療技術をもった東大医学部付属病院顎口腔外科・歯科矯正歯科、東京歯科大市川総合病院歯科・口腔外科、鶴見大歯学部付属病院口腔外科、獨協医科大病院口腔外科・形成外科、神戸大医学部付属病院歯科口腔外科、順天堂大医学部付属順天堂医院形成外科、埼玉医科大病院形成外科・美容外科、京大医学部付属病院形成外科、大阪医科大付属病院形成外科、大阪市立総合医療センター形成外科の10施設を予定している。

2007年09月18日

大事な歯のかみ合わせ


2007年9月18日

 二日に行われた世界陸上の女子マラソンで土佐礼子選手が銅メダルを獲得した。粘りの走りとともに、歯列矯正のワイヤが目についた人もいたはず。北京五輪切符をつかんだ快走の陰に、歯のかみ合わせ改善があったのか-。 (服部利崇)

 「本人の努力はもちろんですが、矯正は大きく関係していると思う」。同レース最終盤での「絶叫」伴走が記憶に残る、土佐選手の夫で松山大職員の村井啓一さん(33)はこう振り返る。

 実業団で活躍し、今は同大陸上部女子長距離ブロックのコーチを務める村井さんには、激しい練習を積んでいるとはいえ、土佐選手の故障の多さが気にかかっていた。「歯のかみ合わせが悪いため、バランスを崩したのが原因では」と考えた村井さんが矯正を勧めると土佐選手も承諾。北京五輪に間に合わせるため、二〇〇五年五月から治療を始めた。

 矯正を始めると、一方の肩が極端に下がるフォームも改善した。猛練習やマラソン後にひざ痛になることはあっても、「矯正前に少なくとも五回はしていた」(村井さん)疲労骨折を一度もせず、練習を積むことができた。年内にワイヤは外れる予定で、北京五輪イヤーは、“ニュー礼子”で臨む。

 体のバランスと歯のかみ合わせについて、日本オリンピック委員会(JOC)の強化スタッフで東京歯科大の石上恵一教授(スポーツ歯学)は「関係がある」と断言する。

 石上教授によると、かみ合わせが悪くて歯同士の接触面積が少ないと、あごの位置が不安定になり、平衡感覚をつかさどる内耳に悪影響を及ぼし、体全体のバランスを崩すという。「どんなスポーツでも基本姿勢は大事。米国だとバランスの悪い選手は、どんなにいい指導をしてもトップアスリートになれないといわれる」(石上教授)

 かみ合わせが悪いことによる悪影響は、日常生活にも出る。不安定なあごを安定させるため、首や肩に過度の負荷がかかり、肩こりや頭痛を誘発。さらに「体のほかの部位にも波及する可能性もある」という。

 かみ合わせの矯正は高齢者の転倒防止にも役立つ。高齢者が義歯を外すと装着時より歩幅が狭くなるという。石上教授は「崩れたバランスを取り戻そうと、狭くなったのだと考えられる。転ばぬ先のつえとして、お年寄りも口腔(こうくう)管理を考えるべきだ」と言う。

 では、かみ合わせを矯正すると、運動能力全般が向上するのか。東京医科歯科大の上野俊明准教授(スポーツ医歯学)は「運動能力を支えている肉体的な部分を、向上させることが期待できるとまでしか言えない」と語り、トップアスリートにそのまま当てはめることには慎重だ。

 ただ、よくかめる子とそうでない子とで体力テストをすると、総じてよくかめる子の方が数値が良かったり、高齢者の日常起居動作でも義歯を入れてきちんとかめる方が数値が良かったりするという実験データもあるという。一般レベルでは、かみ合わせの改善で運動能力の向上に一定の効果を見込めそうだ。

2007年09月22日

厚労省、診療科名の規制大幅緩和

厚生労働省は21日、医療機関が看板などに掲げる診療科名を38に限定している規制を大幅に緩和し、「内科」や「外科」「歯科」については臓器や症状などの名称を自由に組み合わせた科名を認める案を医道審議会に提案、了承を得た。当初は科の数を削減する方針だったが、学会などの反発を受け方針を転換した。

 同省は年内に政省令を改正。来年度には「乳腺外科」「糖尿病・代謝内科」など様々な科名が登場することになる。

 新たな方針では、内科など3科と(1)臓器や体の部位(2)症状、疾患(3)患者の特性(4)診療方法――を組み合わせた診療科名を自由化する。現在は認められていない腫瘍(しゅよう)内科や感染症内科、気管食道外科なども可能になる。そのほかの小児科、精神科、アレルギー科などは省令で個別に列記する

2007年10月15日

あごの関節障害は、姿勢の悪さによる代表的な習慣病

あごの関節障害は、ストレスと姿勢の悪さ、あごの関節の使いすぎが原因だ。


ストレスがたまれば、あごに力が入り、歯を食いしばるようになる。歯を食いしばることが習慣になれば、あごの関節周辺の筋肉が緊張して慢性炎症が生じたり、あごの関節の位置に異常を起こしたりする。寝ている時に歯ぎしりをするのも、あごの関節に無理を与える。


姿勢の悪さも、あごの関節障害を起こす。コンピューターの前で長時間仕事をする職業の人に、あごの関節障害があるケースが多い。


あごに手をあててひじをつきながら長時間机に向かっていると、あごの関節に圧力が加わり、炎症を起こす恐れがある。


あごの関節障害は、女性や若年層に多く発生する。

あごの関節障害患者317人を対象に調査した結果、女性(242人)が男性(75人)に比べて3.2倍多かった。年令別には、40歳以下が233人で73.5%を占め、このうち25歳以下が120人で37.8%だった。


専門家は、女性にあごの関節障害が多いのは、女性が男性に比べて障害症状に対する反応が早いか、ストレスを感じる程度が男性に比べて高いためだと見ている。


10、20代の若年層にあごの関節障害が増えているのは、入試や就職ストレスと密接な関係があると考えられる。


男性や年配者は痛みに対する感覚が鈍く、同じ症状でも病院に行かない可能性があるという意見もある。


あごの関節障害の主な症状は、耳の前のあごの部分で音がして痛みがあり、口を開けにくいということだ。症状が悪化すれば、歯と耳が痛くなり、首や肩まで痛みが生じることもある。


あごの部位の筋肉が緊張し、時には立ちくらみさえ起こす。


急に口を開けるのを避け、ストレス要因を減らせば、一定期間経てば、あごの関節障害は自然に消える。歯科で薬物治療とリハビリを並行すれば、症状は回復する。


しかし、あごの関節疾患が長く続き、あごの関節の位置に問題が生じれば、位置を矯正しなければならない。


マウスピースを使用したり、ひどい場合は、身体の他の軟骨を取ってあごの関節内のディスクをつくったり、ディスクの位置を矯正する手術を施したりする。


あごの関節障害は、代表的な生活習慣性疾患だ。


専門家は、患者自ら誤った習慣を正し、あごの関節に悪い影響を与える要因を避ける努力をすることが、あごの関節障害治療で最も重要だと指摘する。


あごに手をあててひじをついて座らず、腰をできるだけまっすぐにして、あごに不必要な力を加えないようにする。30分か1時間に1度はストレッチをするといい。


あごの関節患者は、ガムをかむことも避けなければならない。あごの関節は、体で最もよく動く関節だが、ガムをかんでいると、あごに無理がかかる。あごの関節患者の場合、5分以上かまないほうがいい。


あごの関節に問題があれば、イカや煮豆などの硬い食べ物は避ける。また、一方だけでかんだり、一方だけで横になって寝る習慣も直すようにする。


食べ物や果物を丸かじりしようと口を大きく開けないようにする。筋力運動をして、歯を食いしばらないようにする。


あごで「カチカチ」音がするからといって、わざと何度も音を鳴らしたり、あごを無理に横に動かしたりしてはならない。


生活習慣の矯正だけで難しければ、マウスピースの助けを借りなければならない。マウスピースは、運動選手が使う装置だが、歯の型を取って、歯ぎしり防止などの歯科治療に用いることもある。

2007年11月07日

口内環境から全身の健康を考えたオーラルケア素材を発見

口内環境から全身の健康を考えたオーラルケア素材を発見
特定の糖アルコールが、カンジダバイオフィルムに対し殺菌剤を浸透しやすくする


 花王株式会社(社長・尾崎元規)パーソナルヘルスケア研究所は、徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部口腔顎顔面補綴(ほてつ)学分野・市川哲雄教授と共同で、オーラルケア素材の1つとしてエリスリトールについて研究を進めています。
 このたび、エリスリトールが、カンジダ菌が作るバイオフィルム*に対して、殺菌剤を浸透しやすくする作用をもつことを見出しました。
 この作用は、同じ糖アルコールのキシリトールやソルビトールと比べて、高いことが分かりました。また作用機構は、エリスリトールがバイオフィルムの構造強度に何らかの変化を与えたためと考えられます

カンジダ菌は口の中にも存在する日和見感染菌(普通は病原性を示さないが、人の抵抗力が弱ると感染する菌)ですが、義歯(入れ歯)の表面でバイオフィルム(カンジダバイオフィルム)を作ると、義歯洗浄剤等に含まれる殺菌成分などの薬剤がバイオフィルム内部まで浸透しにくいため、十分な効果が得られにくいことが指摘されています。
 エリスリトールは、虫歯になりにくい(非う蝕性)糖アルコールであり、口内環境から全身の健康を考えたオーラルケア素材として応用が期待されます。
 本研究成果は、第127回歯科保存学会(11月8~9日、岡山)にて発表いたします。


*バイオフィルム:細菌により作られる集合体で、様々な表面に付着します。義歯の表面に付着するバイオフィルムは、歯に付着する歯垢などの細菌の集合体と同じ構造で、細菌が産生した不溶性グルカン等の菌体外多糖からなる強固な付着物として存在しています。

■研究背景
 高齢化社会の到来と共に、義歯(入れ歯)の使用者は年々増加すると考えられます。特に、65歳以上の高齢者では60%以上の方が義歯を使用しています(平成17年歯科疾患実態調査報告 厚生労働省医政局歯科保健課編より)。
 義歯には、歯に付着する歯垢と似た細菌の集合体(バイオフィルム)が付着します。義歯装着時には義歯と口腔粘膜との間に唾液の浄化作用が及びにくいため、バイオフィルムが形成されやすく、口内環境が悪化する要因となります。
 口腔内に存在する細菌は、約600種類以上が存在するといわれていますが、そのなかにはカンジダ菌などの日和見感染症を引き起こす細菌も含まれています。カンジダ菌は人の口腔や消化管、膣、皮膚などに存在する常在菌ですが、義歯性口内炎や誤って気管の中に入ってしまうと肺炎(誤嚥性肺炎)を起すことや、腸管膜障害から細菌の転移をきたし重症感染症を引き起こすことが知られています。市川哲雄教授の調べでは、老人病院入院患者の約半数以上の口腔内から、カンジダ菌などの日和見感染菌を検出しています。
 義歯に形成されたバイオフィルムを除去するには、ブラッシング等による物理的除去や義歯洗浄剤等による化学的除去があります。しかしながら、カンジダ菌のバイオフィルムは、義歯素材の1つであるレジン表面に付着し、菌体外多糖によって覆われています。そのため義歯洗浄剤等に含まれる殺菌成分などの薬剤は、バイオフィルム内部まで浸透しにくく、十分な効果が得られにくいことが指摘されています。
 以上より、高齢化社会を背景とした口腔衛生対策の1つとして、全身の健康にも影響を与えるカンジダ菌のバイオフィルムに着目しました。

2007年11月15日

科研製薬、来年初から歯周組織再生剤P3開始

科研製薬は、bFGF塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)を使用した歯周組織再生治療剤「KCB-1D」について、今後の開発計画を明らかにした。フェーズ3は08年1月から09年10月に実施する予定。同剤の中でもっとも強い歯槽骨の再生作用を示す「KCB-1D0・3」製剤群をプラセボ群と比較。患者数は、プラセボ40例対同剤120例の計160例。10年3月の承認申請を目指す。

2007年12月01日

「痛い」と叫ぶ歯科実習用の患者ロボット

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東京ビッグサイト(Tokyo Big Sight)で開幕した「2007国際ロボット展(2007 International Robot Exhibition)」で、歯科実習生のための実習用シミュレータの患者ロボット「シムロイド(Simroid)」の実演が行われた。このロボットの口にはセンサーが内蔵されており、医師が誤った処置をすると「痛い!」と叫ぶ。

 ロボットは、次世代ロボットに向けた技術開発を行うココロ(Kokoro)と日本歯科大学(Nippon Dental University)が共同開発し、同大学の附属病院に試験的に導入されている

2007年12月05日

カスタムメイド人工骨の臨床研究順調に経過

東京大学医学部付属病院ティッシュ・エンジニアリング部(高戸毅・部長)と
(株)ネクスト21(東京都文京区本郷、鈴木茂樹・社長)は、
事前にカスタムメイド形状の人工骨をつくり、顔の顎部分の形成のため
実際の患者に移植する臨床研究に成功した。

これは、基本的に固定せずに手術中には目的部位の骨膜下へ
挿入するだけで、従来の人工骨移植手術に比べ
非常に短時間で移植手術でき、患者への負担を小さくできる。
また移植後に自分の骨にほとんど置換できない
従来の人工骨とは違い、吸収性がよく早期置換ができる。
今後は治験を秋から開始する予定で、2010年の実用を目指す。

両者が開発したカスタムメイド人工骨は、患者の顔面部分のX線CT画像を基に、
変形した顎などに補填したい移植骨の形状を3次元データとして作成し、
インクジェットプリンターを用いた3次元積層造形法でつくるものである。

これは、既存の人工骨として多用されている「アパセラム人工骨」
などとは、成形方法が大きく異なる人工骨である。
「アパセラム人工骨」は、焼結したハイドロキシアパタイト材料であり、
生体内での吸収速度は非常に遅く、ほぼ非吸収性である。
これに比べて今回の「カスタムメイド人工骨」は、非焼結の
リン酸カルシウム硬化体材料であり、焼結アパタイトより生体活性が高く、
移植後は徐々に体内へ吸収され、再生される自分の骨と
置き換わるのが早いのが特徴だ。

焼かないので柔らかいが、ある程度の固さがあって支持力はある。
荷重部位の骨としては移植できないが、顔面部分などに活用できる。
移植してぴったり固着させるには、1ピースでなく2、3ピースの
カスタムメイド人工骨にするのがベストだという。

これまでに、動物への移植試験でその有効性を確認し、
昨年6月から今年7月までに10名(女性9名、男性1名)の
顎部分の骨欠損や骨変形患者に対して移植する臨床研究を、
同病院顎口腔外科・歯科矯正歯科で医師主導により実施した。
その結果は、各患者疾患部形状は改善され、副作用などの
安全性に大きな問題もなく経過してきた。

2007年12月07日

【ヘルスハイライト】痛みのない歯科治療が実現に近づく

「痛みなくして得るものなし(No pain, no gain.)」という格言が、歯科治療では通用しなくなる日も近そうだ。米ミズーリ大学コロンビア校の研究チームが開発中の技術により、ドリルを用いない歯科治療が実現する可能性があるという。

 研究チームが開発に取り組んでいるのは、低温化学反応を用いて虫歯部分の殺菌および詰め物に備えた処理をする「非熱(non-thermal)プラズマブラシ」。

 一般的な虫歯治療では、患部をドリルで削った後、詰め物をして元の歯の形を復元するが、その際の振動と音は患者にとって非常に不快なものである。プラズマブラシの開発に成功すれば、現在の歯科治療で用いられているような破壊的な穴あけ作業に替わるものとなるだろうと、同大学助教授のHao Li氏は述べている。

 このブラシは、痛みや不快感の原因となる熱や振動を伴わず、音もないという。熱や機械的相互作用に頼るものではなく、化学反応によるものであるため、痛みのない、歯に優しい治療法であると、同大学助教授のQingsong Yu氏は述べている。また、プラズマ治療によって歯と詰め物との間に形成される化学的結合は、従来のドリルやレーザー治療によるものよりも強いと期待できるという。Yu氏らは、このブラシに関する2件の米国特許出願を提出している。

世界初の乳歯幹細胞の研究バンク設立

乳歯から取り出した幹細胞で骨や神経などを作り出す再生医療や
細胞治療の研究に役立てようと、名古屋大の上田実数授らの
研究グループは6日、同大内に「乳歯幹細胞研究バンク」を
開設したと発表した。
大学などの公共設備を使ったバンクは世界初という。
数年間で1万本程度の乳歯を集め、幹細胞の基礎データを集積する。

研究グループによると、乳歯幹細胞は骨や神経、軟骨に
分化することが確認されており、将来的には骨粗しょう症による
骨折の治療やひざの軟骨欠損、皮膚のケロイド治療などに
活用されることが期待されている。

幹細胞は骨髄や臍帯血にもあるが、乳歯は幹細胞密度が非常に高く、
短期間で増殖する上、自然に脱落するので採取に伴う患者の負担が
少ないという利点がある。
また、万能細胞である胚性幹(ES)細胞のような生命倫理上の問題もない。

研究バンクでは、名古屋大医学部付属病院を含めた
東海地方の6病院から乳歯や親知らずの提供を受け、
幹細胞の採取や培養、超低温保存を行う。
将来的には提供者本人だけでなく、近親者の幹細胞を使った
再生医療への応用可能性もあるという。

研究グループはすでに、犬の歯から取り出した幹細胞を使って
あごの骨を再生する実験にも成功しており、動物実験で
さらに安定的な結果が得られれば今後、厚生労働省の審査を経て、
人の細胞を使った臨床実験に踏み切りたいとしている。

上田教授は「これまで医療廃棄物として捨てていたものが
非常に有効に活用できることを知ってもらいたい。
孫の乳歯で祖父母の骨を治療することが可能になるかもしれない」
と話している。

2007年12月19日

経費増、1割が「開業医やめる」 診療報酬請求オンライン義務化で

経費増、1割が「開業医やめる」 診療報酬請求オンライン義務化で

 診療報酬請求がオンライン化された場合、長崎県内の開業医のうち約一割が「開業医を辞める」考えであることが、県保険医協会(千々岩秀夫会長)の調査で分かった。国は原則二〇一一年度までのオンライン化を義務付けているが、地域医療に混乱を招く恐れがあることが浮かび上がった。

 診療報酬請求は現在、手書き書類、フロッピーディスクによる手続きが認められているが、国は審査事務の効率化のため、〇八年度から規模などに応じて段階的にオンライン請求に移行し、一一年度からはオンライン以外は認めない方針。医療機関は診療報酬明細書(レセプト)を作成する専用コンピューターの導入や専門職員の配置など、新たにかなりの経費が必要になるという。

 調査は八、九月に同協会会員の医科九百四十人、歯科六百一人を対象に実施。医科五百三十八人、歯科二百四十九人が回答した。

 オンライン請求について「対応できる」と回答したのは医科54・1%、歯科39%だけ。

 一方、オンライン請求の義務化を契機に「開業医を辞める」「後継者へ継承する」「勤務医になる」としたのは医科で11・9%、歯科で9・2%。辞める理由は「新たなシステム導入に見合うだけの収入がない」「請求システムの操作に対応できない」「機器の設置場所が確保できない」などが多かった。

 同協会の本田孝也常任理事は「医療機関の少ない離島では深刻な影響が懸念される。オンライン化は便利だが、義務化するのはいかがか」と批判している。

歯科の診療報酬73項目

歯科の診療報酬73項目
20年間据え置き
小池議員に政府答弁書

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 歯科医院に支払われる診療報酬のうち、二十年間も価格が据え置かれているものが、七十三項目にのぼることがわかりました。日本共産党の小池晃参院議員の質問主意書に対する政府の答弁書で、明らかになったものです。

 質問主意書で小池氏は、「(連続した診療報酬引き下げが)地域における医療提供体制の崩壊に拍車をかけている。特に歯科診療については、長期間にわたって診療報酬点数が引き上げられない項目が多く一層問題は深刻である」と指摘。歯科の診療報酬