特集ホワイトニング:海外調査レポート
ある女性がスターバックスコーヒーでストローを使ってコーヒーを飲んでいる。これは女性がどれほど白い歯を維持したいかを物語る姿である。ストローを要求され怪訝な顔をするボーイに彼女は次のように説明した。
「いままで6週間毎晩漂白トレーを装着しています。かかりつけの歯医者さんはコーヒー、紅茶、コーラは歯を黒くするといいました。」
この女性ばかりでなく、ホワイトニングに関する調査回答者の95%が自宅で歯のホワイトニング剤を使用しているという(表1「ホワイトニング及び漂白の実施回数」参照)。DPR(デンタル・プロダクト・レポート)の編集・リサーチ部門が2000年2月に実施した調査に回答した米国の医師の5分の2が、月に2,3人の患者にホワイトニング剤を処方しているという。また別の22%の医師は、6から10人の患者に処方していると回答した。これが平均値であるとすれば、アメリカの一般開業医が抱える530000人の患者は毎月医師の指示によって自宅で漂白プログラムを実行していることになる。 回答者の3分の2以上が、自宅でホワイトニング剤を使用している患者の数は過去2年で増えているという(表2「漂白剤使用の増減」参照)。またこの調査から、これらの漂白サービスを要求したり、受診しているのが女性で、また40歳以下の女性が40歳を越える女性に比べて需要が少し多いことがわかる(表3「ホワイトニング・漂白サービスにおける患者のプロファイル」を参照)
おもしろいことに、調査結果をみるとサービスの実施率は要求率を少し下回っているだけである。言い換えると、歯の漂白を望んでいる患者の大部分が実際実行していることがわかる。ホワイトニングだけが美容面での問題を解決する唯一の手段ではないが、歯の色に不満を持つ患者にとって非常に魅力的な選択肢でことは事実である。 回答者の10分の9が、患者の半分以上が自宅でのホワイトニング手順を守っているという(表4「自宅での漂白実行率」参照)。また実際、回答者の75%あるいはそれ以上の患者が指示を守っていると述べている。指示を守らない患者はセンシティビティ(過敏性)を第一の理由として挙げている。調査の回答者によると、指示を守らない2番目の理由は、モチベーションの欠如である。これらの患者の18%だけが“効果が不十分”であることを挙げ、2%が、センシティビティよりむしろ患者の身体面に影響を与えることを理由にしている。ある患者は所要時間が経過する前に、結果に満足したのでトレーを装着するのをやめたという報告もあった。 メーカーはホワイトニングプロセスにおける患者の不快感を改善するために努力を重ねている。とりわけ、センシティビティの改善やトレーのデザイン改良に重点を置いている。さらに回答者の5分の4は、研究所のサポートなしで自分たちの診療所でトレーを製作していると述べている(表5「漂白トレーについて」)これは不思議なことではない。というのもトレーの製造プロセスをマスターすることは容易であり、必要な器材も安価である。しかし、トレーを自作している医師の大部分は、適切なトレーのデザインと心地よいフィット感がホワイトニング成功の秘訣であり、これによって患者が満足することを認識している。
これらの努力によって、患者の多くがホワイトニングに関する医師の指示をきちん守るわけであるが、それだけが理由ではない。患者はより白い歯を切望し、少々の不快感や不便を喜んで我慢しているのである。回答者の多くは、特定のホワイトニング関連製品を使用し、3分の2以上(69%)は製品1種類だけを提供しているという(表6「診療所が提供するホワイトニング製品の種類」参照)。さらに、自宅用漂白剤を提供してい回答者の多くは、濃度15%の漂白剤または、10%の漂白剤を勧めている(前者を45%、後者を32%の回答者が推薦)(表7「自宅用漂白剤濃度」参照)。回答者の8%が濃度を組み合わせて使用しており(高濃度のもので漂白を開始)、ホワイトニングプロセスを活性化している(この調査では、使用した漂白剤のタイプ(カルバミド過酸化物、水素過酸化物等)に関する質問を設けていない)。 ホワイトニングは人気を博しつつあるが、自宅での処方に比べて診療所でのホワイトニングはそれほど一般的ではない。患者にとって診療所でのホワイトニングプロセスのほうが、便利で短時間で済むが、このメリットよりもずっと高コストであることが問題にされている。ホワイトニングは保険外治療であり、経費がホワイトニングを始めるかどうかの決め手となる。回答者の43%は、診療所でホワイトニングサービスを提供できると述べている(表8「診療所におけるホワイトニングの実態」参照)。これらの医師の多くは、従来治療または、光活性化治療(通常プラズマによるシステムを使用)を採用している。また6%の医師は、レーザーによるシステムを採用している。
おもしろいことに、診療所の職員や助手のほうが医師よりホワイトニングに興味をもっていることもわかった。回答者の57%が自分自身の歯を漂白しており、80%がスタッフの歯のホワイトニングを指導・管理している(表9「歯科診療所スタッフとホワイトニング」参照)。また、スタッフの10分の9が結果に満足している。 大多数の開業医はプロの指導によるホワイトニング・サービスの需要は増大すると予測している。回答者の75%は、今後患者がこのサービスを要求すると考えている。このサービスが何故増大すると考えるのか尋ねると、“広告”、“意識の喚起”、“ベビーブーマー”、“エコノミー”等の単語が繰り返される。
また、メディアがより白い歯への要望を増大させている。つまり、直接的にはホワイトニング製品を宣伝することで、間接的には標準的な美的感覚からみると桁外れに歯の白いモデルや有名人を取り上げることで、注目を集めようとしているのである。 この見通しに否定的な回答者の一部は、歯のホワイトニングは“一時的なはやり”であり、効果は必ずしも継続せず、ホワイトニングを繰り返さなければならないことを患者がいったん認識すれば、興味も薄れていくと予測している。しかし、このような声は非常に少数である。新プロセスが次々と紹介され、美容歯科になじみのなかったメーカーがホワイトニング製品を導入しつつある。この調査結果が正しいならば、これらの企業が開発したホワイトニング製品が常に市場に受け入れられる状態にあるといえる。